本日、民泊新法・改正旅館業法施行!

本日、改正旅館業法が施行され「旅館営業」と「ホテル営業」に分かれていた営業種別が「旅館・ホテル営業」に統合されました。

旅館・ホテル営業においては、最低客室数の基準の撤廃・1客室の最低面積の緩和・構造設備の要件緩和がなされ、いわゆるフロント(玄関帳場)設置についても、緊急時の駆けつけ体制の整備とあわせ現場に人がいなくてもモニター確認できるカメラ設備等でOKとなるなど、以前よりは旅館業法による運用がやりやすくなったようです。

 

ただ、同日施行された『民泊新法』により民泊事業に参入しやすくなった訳ではないので注意が必要です。住宅宿泊事業法いわゆる民泊新法は多様化する宿泊ニーズへの対応もそうですが現状の野放し状態の違法民泊の適正化であり締め出しを目的としています

また、『共同住宅の簡宿化』が容易になったわけではないのでそこも注意が必要です。

以前、保健所と協議した共同住宅の簡宿へのコンバージョンにおける注意点の協議内容を参考に添付します。(あくまで参考であり、各所轄の保健所で指導内容は異なります。

また、本日改正後の新法下での再協議により変更の可能性はあります。)

 

共同住宅から簡易宿泊所(以下簡宿とする)への用途変更における注意点

①第一種低層『住居専用』・第二種低層『住居専用』・第一種中高層『住居専用』・第二種中高層『住居専用』等用途地域に『住居専用』となっている地域は不可。

周囲約100m以内の区域に学校(大学は含まれません)、児童福祉施設、公民館、図書館、博物館、青少年育成施設があって、設置するとその施設の清純な施設環境が著しく害されるおそれがある場合は許可されないリスクがあります。(旅館業法第3条第3項)

※品川区は110m以内に保育園がある場合、許可を 【出さない事が出来る(※出来ない訳ではない)】

としている。ただし、許可が出ない場合は少なく、何かしらの要望を盛り込む形で許可が出る事が多い。

都に合議がまわるので都の回答に2か月程度要する。

(申請から許可まで2.5~3ヵ月は必要でその間に中間検査・消防同意をとりつける)

②基本的に簡宿は原則として個別・個室のホテルと異なり昔の飯場のような【押し込み相部屋】を想定しているので3人部屋でベットが一つ空いている状態で【泊めるのを拒否すると】タクシーの乗車拒否のように禁じられていて旅館業法違反となる。(簡宿は個室ホテル形状を原則想定していない)※建前ですが・・・

ただし、客室総面積の1/2未満は個室でOK

(客室面積算出において必ず除外するもの:クローゼット・玄関沓脱場・下駄箱・WP置場・PS等)

③5人定員(5人以下の部屋)ごとにトイレが2か所必要。メゾネットは総面積1/2未満の個室扱いでトイレは個別でOKであるが、メゾネットやファミリータイプ等で2か所設置できるところがないと半分は個室扱い不可となる。(トイレが2か所使える形態をとる必要あり)

6人以上10人未満はトイレ3ケ必要なので3,4階2LDK等のベット数が5を超えないようにする。

※さらに6人以上は洗面が二か所必要(給水栓がふたつ)

今回の改正でトイレ設置基準も緩和されていますが詳細基準は所轄の保健所に確認を!

④3点ユニットのトイレは風呂を使っていると使えないので2か所のトイレの数にカウント出来ない。

(※宿直室・管理人室等宿泊室でない3点ユニットはカウント可)

⑤簡宿は管理者常駐が必須ではないが連絡して5~10分で駆けつける事が出来てかつ、その場で問題解決の判断が出来る大家又は支配人の立場の人が近隣に常駐する事。

(セキュリティ会社等は不可)

チェックインは原則、対面で現地案内する事。(無人・TVモニター等は不可)

 ※ここが今回の改正で緩和されました

⑦ゴミ置場位置・大きさは事業用ゴミで業者収集となり清掃事務所は持っていかないので基準や指導なし。

⑧リネン庫を設け汚れものを区別することが望ましい。

⑨風呂は追い炊き付であることは不可ではないが年一度レジオネラ菌検査をすると供に週一回ジャバ等の追い炊き配管消毒清掃が必要でその記録も必要。

(徒歩圏に公衆浴場があれば風呂無でもOK・・今回はすぐ近くに銭湯があるので風呂無部屋を作る事も可能。)

⑩オートロックでの出入りでも問題ないが帳場又は管理人室は来客者が来たことが見える位置にする

か受付小窓を設ける。

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以上が以前協議した内容でしたが、今回の改正が1室からでも旅館・ホテル営業が可能になった事でワンルームマンションやアパートの空き室の1室を法的区分の旅館に出来るようになったかというとそうではありません。

そもそもが建築基準法の用途制限や消防法が緩和された訳でもないので【共同住宅・長屋】というカテゴリーでの申請用途が1室だけ旅館業法適用の不特定多数が利用する【旅館・ホテル】として、どの地域でもどんな要件下でも用途変更できるようになった訳ではないという事です。

民泊運営者から行政書士さんや司法書士さんに許可取得依頼が相次いでいるそうですが最後に一言。

 空き家対策としての180日制限内での民泊運営は【住宅】というカテゴリーでの宿泊施設を【旅館】としての本格営業でない範囲で緩和するという、あくまで【住宅】の一時利用の救済処置。

儲け話に安易につながるものでは決してないという事です。旅館業法が改正されても【旅館・ホテル】の許可は【簡単ではない】ので建築基準法の専門家に是非ご相談ください!